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人間の持つ自然治癒力に働きかける医療専門職
あん摩マッサージ指圧師は、筋肉の緊張を解き、血行を改善し、痛みを軽減したり、全身の機能の調整をはかり、健康増進や疾病の予防と治療を手技で行う医療専門職です。
医療分野のほか、スポーツ・美容・保健の分野でも需要が増大しています。
あん摩マッサージ指圧師は、手のひら等で患部(ツボ)を押し、もみ、さすり、たたくことなどで神経や筋肉に刺激をあたえ、からだの血行をよくする治療を行います。器具は一切使用しません。
医師と同じように人間のからだを対象とする職業であるため、国家試験に合格して免許を取得しなければなりません。あん摩マッサージ指圧師のほかに、はり師・きゅう師の3つの免許を同時に取得する人が多いです。
あん摩マッサージ指圧師試験の国家試験に合格すると免許が与えられます(厚生労働大臣の免許)。
国家試験の受験資格を得るには、高校卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣認定の学校・養成施設(大学・短大・専門学校など)で3年以上必要な知識と技能を修得することが必要です。
あん摩マッサージ指圧師養成施設の科目は専門科目と実習に分かれています。
①解剖学
総論と各論に分かれています。
総論では、解剖学の意義と分類、細胞・組織・器官系統および人体の区分を学びます。
各論では、運動器系、内臓系、脈管系、神経系、感覚系など、人体を構成する諸器官について学びます。
②生理学
解剖学と生理学は、医療にたずさわる人すべてが学ぶ基礎科目です。
各論では、循環、呼吸、消化、吸収、代謝と体温、排泄、神経・筋、感覚、身体の運動、内分泌、生殖、成長と老化、生体と防御機構など、細胞と諸器官の機能を学びます。
③病理学概論
総論として病理学の意義、疾病・症候の意義と分類、疾病の経過・予後・転帰について学びます。
各論では、病因、循環障がい、退行性病変、進行性病変、炎症、腫瘍、免疫異常・アレルギー、先天性異常を学びます。
④衛生学・公衆衛生学
個人・環境衛生の項では、空気・気象、水、土地・住居、衣服、食品・栄養、廃棄物、健康・疾病、精神衛生を、公衆衛生の項では、伝染病とその予防、衛生統計、母子衛生、産業衛生、公害を学習します。
さらに、消毒法で消毒法一般とその種類と方法・応用などの知識を学びます。
⑤臨床医学各論
各疾患についてその概念、原因、症状、治療について学びます。
以上のほかに、医療概論(医学史を含む)、臨床医学総論、東洋医学概論、経絡経穴概論、関係法規などは、東洋医学技術者となるための共通の専門科目です。
学生同士が術者と患者になり、肩背部・側臥位でのあん摩、指のマッサージ、肩関節のマッサージ、腹臥位での指圧、下肢の指圧などを順次学習していきます。
1時間の内容はもりだくさんで充実しています
あん摩マッサージ指圧は、日本が世界に誇るべき医療技術財産です。
国民の健康保持・増進のために、技術の継承は正確に行われ、かつ時代の要求に対応すべきものと思われます。
そのためには、学生個々の技術の修練・熟達が必要となります。
さらに、現代生活では不足している“ふれあい”を媒介とし、手のあたたかさをとおして病者の心に作用をおよぼすものだけに、実技実習はもっとも重要です。
あん摩マッサージ指圧師養成施設の卒業後、一般的には卒業生の8割くらいが病院や施術所・治療院に就職していますが、マッサージ系ではスポーツトレーナーなどの道もあります。
施術所も大幅に増え、病院などの医療機関でも東洋医療技術者を積極的に受け入れるようになっています。
施術所・治療院を開業することも可能で、インターンとして働きながら臨床経験を積み、自分の腕に自信がもてるようになってから開業する人もいます。
第32回 あん摩マッサージ指圧師国家試験の試験期日・試験地・昨年度の合格率などのデータです。
試験日 | 令和6年2月24日(土) |
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試験地 | (1)晴眼者 宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県及び鹿児島県 (2)視覚障害者 各都道府県 |
第31回合格率 | 受験者数:1,296名 合格者数:1,148名 合格率:88.6% |
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