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本人なりの自立した生活を支援する専門職
作業療法士は障がいのある人、認知症のお年寄りなどを対象に自立生活を促し、その人らしい社会生活を獲得できるように支援や指導を行うのが仕事です。
理学療法の目的は主に基本的動作能力の回復をめざすものであるのに対して、作業療法は応用的動作能力または社会的適応能力の増幅が目的です。
作業療法士のしごとは、運動機能や精神機能の回復を図るため、いろいろな作業種目を手段に医学的治療・指導をすることです。
たとえば、編物、手芸、織物、陶器、人形づくり、銅・革・竹細工、木工、金工、園芸、農耕、芝居、音楽演奏、ゲーム、スポーツ(子どもの場合はいろいろな遊び)などがあり、患者が積極的に参加できる種目を選び、その作業を通して機能の回復を図ると同時に、家庭復帰や社会への適応回復能力を高めていきます。
作業療法士国家試験に合格すると免許が与えられます(厚生労働大臣の免許)。国家試験の受験資格を得るには次のような方法があります。
(A)
高校卒業後、文部科学大臣または都道府県知事指定の養成施設(短大・専門学校など)で3年以上必要な知識と技能を修得する。
(B)
大学の作業療法士養成課程で4年間修学する。
(C)
外国の相当する学校卒業者または免許所持者で、厚生労働大臣の認定を受ける。
作業療法士養成施設では、専門の知識と技術を93単位以上学ぶことが法律で定められています。
カリキュラムは基礎科目、専門基礎科目、専門科目に分かれています。
おもに1年次に履修します。
人文科学、社会科学、自然科学、保健体育、外国語などを幅広く学び、社会人としてまた医療技術者としての教養を身につけます。
おもに1~2年次に、専門科目を学ぶうえでの基礎となる科目を学びます。
①人体の構造と機能及び心身の発達
人体の構造と機能及び心身の発達を系統立てて理解できるようにします。
②疾病と障がいの成り立ち及び回復過程の促進健康、疾病及び障がいについて、その予防と回復過程に関する知識を習得し、理解力、観察力、判断力をつちかいます。
③保健医療福祉とリハビリテーションの理念
国民の保健医療福祉の推進のために作業療法士が果たす役割について学び、地域における関係諸機関との調整及び教育的役割を担う能力を育成します。
①基礎作業療法学
系統的な作業療法を構築できるよう、作業療法の過程について必要な知識と技術を習得し、職業倫理を高める態度を養います。
②作業療法評価学
作業療法過程における作業療法評価(職業関連評価を含む)の枠組みについての知識と技術を習得します。
③作業治療法学
保健医療福祉とリハビリテーションの観点から、各疾患、各障がいへの作業の適応について知識と技術を修得し、対象者の自立生活を支援するために必要な問題解決能力を養います。
④地域作業療法学
臨床実習は実習病院等で実際に患者さんを担当し学内で学んだ知識、技術を臨床で使えるよう高めていきます。
これを積み重ねていくことにより確かな実力が養われるとともに、患者との直接のふれあいのなかから、作業療法のありかたをつかんでいきます。
多くの学生は、臨床実習という場を通して、自分のめざす職業に対する使命感と喜びを感じとっていきます。
作業療法士の就職先は、大学病院や一般総合病院、リハビリテーション・センター、老人病院、老人保健施設、精神病院などの医療機関や、肢体不自由者施設、養護施設、身体障害者更生指導所、特別養護老人ホームなどの福祉関係機関が主です。また最近は保健所で地域保健活動に従事したり、市区町村で実施されている地域住民へのリハビリテーション・サービスなどにも活躍分野がひらけています。
第59回 作業療法士国家試験の試験期日・試験地・昨年度の合格率などのデータです。
試験日 | (1)筆記試験:令和6年2月18日(日) (2)口述試験および実技試験:令和6年2月19日(月) |
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試験地 | (1)筆記試験 北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県及び沖縄県 (2)口述試験および実技試験 東京都 |
第58回合格率 | 受験者数:5,719名 合格者数:4,793名 合格率:83.8% |
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