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看護を担う専門職
看護師とは、看護を担う専門職であり、医師とともに医療が安全に行われるよう、診療の補助をします。
冷静さや、プロとしての専門的な知識・技術が要求される仕事です。
医療の高度化、人口の高齢化などにより、看護師の需要はますます高まっています。
看護師の仕事は、医師が患者を診療する際の補助、健康障がい、あるいは乳幼児やお年寄りのように自分で自分のことができない人たちの生活行動を助け、生活の質(QOL)を高める援助をすることです。
また健康を損ねたときには、すみやかに回復できるようにサポートをします。
看護師の仕事の責任は重大であり、またきびしさも要求されます。
病院ばかりでなく、診療所、訪問看護ステーション、市町村、学校、事業所、老人保健施設、保育所、特別養護老人ホームなど、あらゆる場での活躍が期待されています。男性看護師も活躍の場が広がりつつあります。
看護師になるには多くのコースがあり、自分の置かれた状況に合わせて選択することができます。
(A)
看護大学、専門職大学、統合カリキュラム校では4年間で、看護師国家試験の受験資格を得ることができます。看護大学では、さらに選択制で保健師と助産師の受験資格も得られます。
(B)
看護師学校、短期大学に3年間通うことで、看護師国家試験の受験資格を得ることができます。
この課程で看護師資格を持った人は、保健師あるいは助産師になるために、それぞれの養成課程に進学することができます。また、大学への編入も可能となります。
(C)
高等学校5年一貫教育のコースに通うことで、看護師国家試験の受験資格を得ることができます。
(D)高校卒業者の場合
ただちに2年間の看護師課程に進学できます。
卒業時には専門士、准学士となり、看護師資格を取った後は保健師、助産師課程の養成校に進学できます。また、大学への編入もできます。
(E)中学卒業者の場合
3年間の准看護師としての実務経験の後に進学となりますが、この場合は高等学校専攻科や短期大学には入学できません。
(F)
7年間の准看護師の実務経験の後、2年間の通信制看護学校を修了して看護師国家試験受験資格を得られます。准看護師として働きながら単位を取るもので、臨地実習が少ないカリキュラムです。
日本で看護師免許を取るための基準が国の指導で定められています。この指針に基づき、各教育機関では、独自のカリキュラムを組み立て教育に当たっています。
看護師教育の特徴的なことは、実践において学ぶことを大切にしていることです。実にカリキュラムの約3分の1が臨地実習(病院や施設などの看護の実践の場に限る)です。
理論を学ぶのみでなく、臨床場面において理論がどのように実践されているかを体験し、考察することを重要視しているわけで、これらは他のメディカルスタッフに比べても多い時間数です。生命の危機状態で医療を受けている人、手術前後の人、在宅療養中の人、出産後の母子あるいは健康者に対しての看護と、あらゆる年代の人々、あらゆる健康状態にある人々への看護祖、実践を通して学びます。
看護師学校の独自性を持った科目が選定される分野です。
この分野では「専門基礎分野」「専門分野」の基礎となる科目と合わせて科学的思考力及びコミュニケーション能力を高め、感性を磨き自由で主体的な判断と行動を促す内容を学びます。人間と社会を幅広く理解する内容や国際化、情報化へ対応しうる能力、人権の重要性について十分理解し、人権意識の高揚を図る内容となってます。
具体的には、数学、物理学、化学などの自然科学、社会学、国際関係などの社会科学、哲学、心理学などの人文科学があります。
人間の構造と機能、疾病の成り立ちと回復の促進、健康支援と社会保障制度など、専門分野の土台になる内容を学びます。
看護実践においては、人の病気や健康状態を論理的・科学的に思考し健康支援することが大切です。専門基礎分野は判断の基礎となる非常に重要な科目です。解剖生理学や生化学、薬理学、病理学、微生物学など、専門職として学んでいることが実感できるでしょう。
また、生存権である健康や福祉に貢献できるための保健医療制度や社会保障制度なども必要な学習内容です。
看護の基礎的な倫理と技術を学び、専門分野Ⅱの看護学で活用できるようにする科目です。
看護とはなにか?を追求する科目や対人関係能力を養成する科目、倫理的判断ができるような科目、そして何をおいても技術が確実でなければなりませんので、看護技術の演習を多く取り入れています。根拠に基づいた食事の援助、排泄の援助、移動の援助、清潔の援助、環境を整える援助などの直接な身体的援助と、心理的援助、教育指導、調整的役割などについて、理論や演習で学び、臨地実習を通して技術の獲得ができるように学びます。
“ゆりかごから墓場まで”の言葉通り、人の成長発達段階を深く理解し、様々な健康状態にある人々や多様な場で看護を必要とする人々に対する方法を学びます。
母性看護学、小児看護学、成人看護学、老年看護学、精神看護学の各種看護学を学びます。
①母性看護学
妊娠・出産や育児など女性にとって大切な時期の看護を学びます。健康な方の妊娠・出産は病気とは言えません。
健康な人をより健康にするというウエルネスの考え方を基本として学びます。また思春期から更年期までと看護の範囲は広く、女性だけに限らずパートナーとしての男性も含んだ内容です。
②小児看護学
胎児から思春期まで、子どもは日々発達をしていきます。病気になってもその子らしく十分に成長発達できるように、家族も含め看護することを学びます。
③成人看護学
青年期から壮年期のあらゆる病気療養中の看護や健康増進活動について学びます。社会に重要な役割を持っている世代ですので、健康問題も複雑になります。急性期の病気ばかりでなく、現在は生活習慣病の予防も重要であり、人として幸せな人生をおくるためにはこの時期の看護がとても重要です。
④老年看護学
高齢者は老化によって身体は衰えますが、年を重ねるごとに知恵や経験は豊かになります。個別的で多様な状況を併せ持つ高齢者に対して、病気や障害を持ちながらもその人らしく自立した生活が送れるように看護することを学びます。
⑤精神看護学
人間を理解するためにはこころの理解が大切です。こころの発達と健康の維持増進のための援助を学び、こころの障害が生じた人への看護を学びます。
専門分野Ⅰ・Ⅱを学んだ後、看護専門職として統合し、実践できる能力を培う領域として、在宅看護論と看護の統合と実践の内容を学びます。
①在宅看護論
一生の中で病気やけがで入院して病院ですごす時間はごくわずかです。生活の基盤は家庭ですので、家庭で療養する方を支える看護、最期までその人らしく生きることを支える看護はとても重要になります。家庭や家族への援助の理論及び家庭看護の技術を学びます。
②看護の統合と実践
人間の生死を分けるような医療の実践の場では、看護師の専門的な知識・技術が十分に発揮できなければなりません。現在の医療の場は多くの機器に囲まれていること、チームで動いていうことは報道等で知られる通りです。医療の質の向上や安全確保のために、チーム医療、マネジメント能力、医療安全、災害時の看護等を学習します。また、卒業時には一人で責任を持った看護ができることを目標として、看護技術の再評価を行い、臨地実習を行います。
専門看護師・認定看護師・看護学修士・看護学博士への道
看護師免許を取得したのち、現在ではさらに看護の専門性を生かした看護師を必要としている状況から、認定看護師、専門看護師を養成しています。ともに5年の実務経験と、認定看護師では6ヶ月以上の研修、専門看護師では大学院での2年の学習が必要となります。
看護師の就業場所は、病院・診療所が主で、そのほか、訪問看護ステーション、居宅サービス部門、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、看護学校等研究機関、社会福祉施設、市町村、事業所と続きます。
多くの新卒業看護師は病院等でスタートを切ります。 病院においては24時間の生活援助をすることが看護の基本ですので、多くは3交代(8時間勤務)2交代(夜間16時間勤務・2時間休憩)などを行っています。
第113回 看護師国家試験の試験期日・試験地・昨年度の合格率などのデータです。
試験日 | 令和6年2月11日(日) |
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試験地 | 北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県 |
第112回合格率 | 受験者数:64,051名 合格者数:58,152名 合格率:90.8% |
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