
「大学と専門学校の違いは?」「受験のためには、どんな勉強をすればいいの?」など、看護・医療分野の学校をめざすあなたのために、気になる質問にお答えします。
「僕はこれまで本当に困った時や、精神的にまいっている時に、家族や友人、思いがけない人から色々と励まされてきました。そのおかげで今の自分があるといっても過言ではありません。
そこで、困っている人や、立場の弱い人を助ける事で恩返しができたらと思い、医療という仕事に携わりたいと思っています。
理学療法士の専門学校に通っている友人や親戚の人に話を聞いて、そういう仕事もあるのかと思い、理学療法士に強く興味を持っています。しかし、ぜひなりたいなと思う反面、自分で本当に務まるのかなという不安もあります。
なぜなら人と接する事が得意ではなく、あまり大勢でワイワイ過ごす事も好きではありません。
理学療法士という仕事に就くなら、やはり人と接することが好きな人がやるべきでしょうか?」
自分の進路を決める上で、果たして自分に務まるのかという不安が生じるのはむしろ自然な精神状態であるといえます。最初から、自信があるというのはおかしな話で、自信とは、体験や経験を積み重ねるうちに、じょじょに芽生えてくるものだからです。
一概には言えませんが、私の経験上、タイプとしては、物事をじっくり、コツコツと積み上げていける人が理学療法士に向いているような気がします。
とはいえ、理学療法士に関わらず、医療職は、近年では、サービス業としての認識が高まっています。患者ではなく、患者さんというわけです。
人と接することが得意ではないとのことですが、医療職にとって、コミュニケーション能力は大変、重要な要素となりますので、やはりこちらも無視することはできません。
ですから、このコミュニケーションという点について、自分にある程度の自信が芽生えてくるように、意識して努力していくことも必要ではないかと思います。
少なくとも人と接することに対する恐れがあっては困ります。ですので、弱点克服のために、積極的に社会に出て、アルバイトでもボランティアでも、人と接する機会を増やし、小さなことでもいいので、人との交流を深めながら、コミュニケーション力アップに取り組んでみたらいかがでしょうか。
理由は簡単です。患者さんをリードする立場である理学療法士が、患者さんとのコミュニケーションを恐れていては、患者さんに悪影響が出るからです。
ただ押さえておきたい点は、大勢でワイワイ過ごすことの好きな人が、直ちに医療人として、コミュニケーション力が高いということではありません。医療職に求められるコミュニケーション力は、職業人として、自分自身のその日の感情に左右されること無く、冷静に、理性的に、患者さんが前向きに取り組めるように、精神的な面もサポートしながら、患者さんの利益を優先し、機能回復という目標に近づけていくことです。
ここで重要な点は、職業人としてということで、私生活のことではありません。仕事で、コミュニケーション力が多く求められている人は、概して、私生活では、その反動から口数が少なかったりするものです。
つまり、理学療法士として円滑に責務を果たしていく上でのコミュニケーション能力と単なる私生活上のコミュニケーション力を極端に一緒に考えないことです。
あなたの場合は、自己に対する対人関係への苦手意識が克服できれば、これまで自分を支えてくれた周りの方々への感謝する気持ちもお持ちのようですので、ほぼ問題は解決されるのではないかと考えます。
理学療法士を目指すにあたり、現状の自分との兼ね合いだけでなく、成長した自分とのマッチングで考えて見てはいかがでしょうか。(医進学園 大谷芳和先生回答)