資格・職業・国家試験一覧

物理的手段で障がいをもった人の運動機能を最大限に引き出す

理学療法士になるには

理学療法士

理学療法士の主な仕事は、身体に障がいのある人に治療、訓練を行ったり、温熱、寒冷水、光線、電気、マッサージなどの物理的手段を加えたりして、基本的運動能力の回復をはかることです。
そして、障がい者の残された機能を最大限に活用できるように、また機能が働かなくてもなんらかのかたちでそれが代償できるように訓練し、患者さんを再び社会の一員として送り出すことを最終目的としています。

どんな仕事?

ライフステージをすべての段階で全人間的復権をめざすリハビリテーションは、成熟した社会においてQOL(生命・生活・人生の質)の向上をはかっていきます。
理学療法士は、このリハビリテーションの中心的役割をはたす一職種で、医師の処方にしたがって患者さんに各種の検査や測定を行います(神経学的検査、心肺機能検査、関節可動域測定、筋力測定など)。

主な理学療法

運動療法

動かなくなった関節や筋肉を、いろいろな運動をすることで動くようにします。
マヒした手足をただ適当に動かせば治るというものではありませんから、神経、筋肉、関節の動きに関する解剖学的・生理学的・運動学的知識が必要です。

水治療法

運動療法の補助的意味で行われます。
水のなかに入ると浮力を受けて身体が軽くなり手足が動きやすくなることを利用した治療法です。
治療プール、過流浴、ハバートタンクなどを使用します。
物理的効果だけでなく、生理的効果や精神的効果もあります。

温熱療法

痛みの治療などには昔から熱を利用する方法が広く用いられています。
ホット・パックやパラフィン浴などで温めたあと、かたくなった関節を動かしたり運動したりします。

電気・光線療法

筋肉の委縮を防いだり、痛みをしずめる目的で、低周波、中周波を用います。
深部を温めるために超短波、極超短波、超音波を、深部に刺激を加えるためには低出力レーザーを用います。
また、皮ふを温めたり刺激するために赤外線や紫外線を治療に利用します。

徒手的療法

患者さんの皮ふや筋肉、関節周囲の機能障がいを理学療法士の手で直接患者さんの身体に触れ治療する方法です。
皮ふや筋肉に対するマッサージ(軟部組織モビライゼーション)などや関節をおだやかに動かす手技(関節モビライゼーション)などがあります。

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資格の取り方

理学療法士になるには

理学療法士試験(国家試験)に合格すると免許が与えられます(厚生労働大臣の免許)。
国家試験の受験資格を得るには次のような方法があります。

  • 高校卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣指定の養成施設(短大・専門学校など)で3年以上必要な知識と技能を修得する。
  • 大学の理学療法士養成課程で4年間修学する。

※外国の相当する学校卒業者または免許所持者は日本の国家試験を受験できることがあるので、厚生労働省に問いあわせのこと

養成施設の種類

理学療法士の養成施設は全国に199校あります(国立17、公立13、私立169)。
学校区分では大学55校、短大2校、専門学校などの養成所142校です。

近年、老人性疾患をはじめ、事故・災害による障がい者が増えているため、療法士の需要はきわめて高く、国の施策として国立の養成施設の整備が行われているほか、公立・私立の養成施設に対して整備費や運営費などが助成されるなど養成力の強化がはかられています。

修業年限

大学4年、短大3年、養成所3年(昼4年制、夜4年制もあります)です。
なお、看護師などの医療系有資格者は、2年間学べば受験資格が得られますが、2年制の養成施設は現在ありません。

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こんなことを学ぶ

理学療法士養成施設では、専門の知識と技術を2990時間以上(93単位以上)学ぶことが法律で定められています。
カリキュラムは基礎科目、専門基礎科目、専門科目に分かれています。

基礎分野(14単位)

おもに1年次に履修します。
人文科学、社会科学、自然科学、保健体育、外国語などを幅広く学び、社会人としてまた医療技術者としての教養を身につけます。

専門基礎分野(26単位)

おもに1〜2年次に、専門科目を学ぶうえでの基礎となる科目を学びます。

人体の構造と機能及び心身の発達

人体の構造と機能及び心身の発達を系統立てて理解できるようにします。

疾病と障がいの成り立ち及び回復過程の促進

健康、疾病及び障がいについて、その予防と回復過程に関する知識を習得し、理解力、観察力、判断力をつちかいます。

保健医療福祉とリハビリテーションの理念

国民の保健医療福祉の推進のために理学療法士が果たすべき役割について学び、地域における関係諸機関との調整及び教育的役割を担う能力を育成します。

専門分野(53単位)

基礎理学療法学

理学療法の枠組みと理論を理解し、系統的な理学療法を構築できる能力とともに、職業倫理を高める態度を養います。

理学療法評価学

理学療法における評価の枠組みを理解し、心身機能と構造の評価に関する知識と技術を習得します。

理学療法治療学

障がいの予防と治療の観点から、種々の障がいに必要な知識と技術を習得します。

地域理学療法学

患者及び障がい者の地域における生活を支援していくために必要な知識や技術を習得し、問題解決能力を養います。

臨地実習

社会的ニーズの多様化に対応した臨床的観察力・分析力を養うとともに、治療計画立案能力・実践力を身につけます。
学内における臨床実習を行った後に、各障がい、各病期、各年齢層を偏りなく行います。

2年次の臨床実習(検査・評価実習)は、学校で学んだ理論と技術に加え、臨床部分での実践を学びます。
また、理学療法の基本的病理を理解し、基本的技術の実践力を修得する場でもあります。

3年次は臨床実習が多くの時間を占めます。
過去に受けた理学療法士教育の総括の場です。
評価・測定し治療プログラムをつくり、治療を実施し経過を追います。
患者の問題点の把握のため、ほかのリハビリテーションスタッフと情報交換をしたり、患者との全人格的な接触も要求されます。
そのほか、病院の組織をはじめ、リハビリテーション部の運営・管理についても学び、専門職としての理学療法士の資質を養う重要な意味をもっています。

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卒業後の進路と展望

理学療法士の卒業後の進路は、病院やリハビリテーションセンターなどの医療機関、肢体不自由児施設、重症心身障がい児施設、老人保健施設、特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター、介護支援センターなどの福祉機関が主です。

就職は理学療法士の絶対数が不足しているため、ほぼ望みどおりの分野の病院、施設に就職することが可能です。
収入は、国公立病院では臨床検査技師や診療放射線技師と同様ですが、民間の病院ではそれよりやや上回ります。
現代の医療体制のなかで、リハビリテーション部門がさらに充実していくことは必至で、専門の療法士の必要性は高まるいっぽうです。
さらに、経験者の教育分野や研究・開発分野、保健・福祉分野への進出も望まれています。

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